大卒の職人

2003年8月13日
わざわざ大学出て、なんでこんな仕事すんの?
親父に何回聞かれただろう。

親父は肉屋に勤めている。
僕は大学2年のときからバイトで雇ってもらって、もう今年で4年目。去年の就職活動でさんざん迷った挙句、この職業に就くことを諦めたのは自分に自信がなかったから。不器用でとろくて独創性もないし気も小さいうえに、体力のない僕にとって、技術、独創性、職人気質、肉体労働のこの仕事がむいてないんじゃないかという不安、何よりも自分の気持ちに自信がなかった。

去年ろくに興味もない業界からしか内定がとれず、なんとも歯がゆい一年間を毎日悩みながら過ごしていた。留年したのは一年のときにろくに学校に行かなかったからというのもあるが、何よりの原因は自分の将来に何も光明が見えなかったからというのが大きかった。

留年することが自分でわかってから環境は大きく変化した。
バイト先で一番仲がよく、お互いに何でも話すことのできた社員の異動。「この仕事が好きなのは、今の人間関係の居心地のよさをーこの仕事が好きーと勘違いしてるだけなんじゃないの?」と一年前の就職活動で彼女に言われた言葉。それが実際どうなのかを自分で証明する機会になった。彼が異動してからの一週間は彼の担当をそのままうけつがせてもらった。アルバイトには手に負えない程になった仕事の量。売上に対する執着心。お客様に対する責任感。店の信頼。全ては僕に重くのしかかるものであったが、『責任』の2文字は逆にいい刺激になった。ふっきれた感じがした。

5年目の大学生活の春。遅ればせながら就職活動をはじめた。受けた会社は1社。関東の食肉業界の老舗。老舗とか有名店とかはどうでもよかったのだが、できることならより大きな『責任』がほしかった。僕はなんとか内定をとることができた。

8月13日。
僕はいろいろな人に助けられながらも、自分の満足いく結果が出せた。目標にしていた人の前年実績もクリアしたし、店長の設定してた予算もクリアできた。内容にも満足している。この結果はきっとこれからの僕を支えてくれるに違いない。

今日の日記の冒頭の親父の言葉。。
僕はあなたをこえたいだけですよ。この未成熟な業界で理不尽に埋もれていってしまったあなたができなかったことを、変わりに僕がしたいんですよ。まあ、今の僕にはまだまだ口にできることではないですけどね。

ついでに親父には留年した時に「けじめをしっかりつけろ」とも言われてた。要するに、なんか資格をとったりとかそういう姿勢を見せろってことですね。僕は来年からの社会人生活に備えてバイトがんばりますよ。どう考えても来年から数年間の間より今の環境の方がいろんな仕事ができるし(笑)

でもたまには遊びにいきたい大学5年の夏休みでした・・・。

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